【師長おすすめ】看護師のなり方|大学と専門どっちがいい?

看護師長のはるです。

ときどき知り合いからこんな相談を受けます。

子供が看護師になりたいらしい。
大学と専門学校のどっちがいいの?

看護師になる方法はたくさんあって、看護師を目指すにはどの方法がいいのか、わかりにくいと思います。

この記事では、まず看護師になるための道筋を説明します。そして、看護師になるために学べる学校の種類を4つ紹介し、それぞれの違いを解説します。

そして最後に、師長のはるが考えるおすすめの『看護師のなり方」とその理由を解説します。

この記事を読めば、自分が看護師になるのに最適な方法はどれか、理解したうえで選ぶことができるようになります。

ぜひ最後までお読みください。

目次

まず、結論

看護師長のはるが、知人の子供におススメする看護師のなり方は『看護大学』です。

はる

選べる状況ならぜひ看護大学をおススメするよ!

しかし選ぶにはそれぞれの事情や条件もあると思うので、そこを詳しく解説していきますね。

看護師になる道筋

まずは、看護師になる方法を解説します。

日本で看護師になるためには『看護師国家試験』に合格する必要があります。

そしてその試験の受験資格を得るためには、指定の看護師養成所を卒業する必要があります。

高校を卒業後に指定の学校を卒業して、国家試験に合格すれば、看護師になれます。

学校にはいくつか種類がありますので、それを次で解説しますね。

なお、都道府県知事が発行する免許として『准看護師』という資格もあります。
これは2年制の看護系学科などで都道府県の試験に合格すると取得できます。
准看護師は将来的に看護師資格に一本化する方向なども検討されているので、これから目指すのであれば『看護師』を目指すことをおすすめします

学校の種類は4つ

看護師になるためには文部科学大臣指定の学校か、厚生労働大臣指定の学校で、3年以上の教育が必要と決められています。

学校の種類は複数あって、どの学校でもきちんと看護師になるために必要な知識や技術を教えてくれて、看護師国家試験の受験資格を得ることができます

ただそれぞれの特徴を知らなければ選べないと思うので、それぞれの学校の特徴を解説します。

高校看護科(高校3年+専攻科2年)

看護科と専攻科を合わせて5年間の学校に通い、看護師国家試験の受験資格を取得するコースです。

3年間の看護科で准看護師受験資格を取って、そのあと専攻科に進んで2年間学習することで看護師国家試験の受験資格がもらえます。

この二つが一体になった、5年一貫校もあります。

看護科の3年間は高校の普通科教育と並行して、准看護師になるための専門的な勉強と、校内実習で技術の勉強をします。

そして2年生になったら病院での実習も始まります。

専攻科に進んだ後は、より専門的な知識と技術を学び、病院実習も本格的に行います。

高校看護科のメリット
  • 20歳で看護師免許が取得できる、最短コース
  • 学費が5年間で120万円程度
  • 看護科を設置した高校は全国に100校以上もあるので通いやすい
  • 現場では同い年の子よりも先輩になる
高校看護科のデメリット
  • 高校でも実習などのカリキュラムがあり多忙
  • 基本給が大卒などに比べて低い場合がある
  • 中学卒業時点で進路を決める必要がある

看護専門学校(3年)

看護師を養成する学校の半分以上は、この3年生の看護専門学校です。

高校を卒業した後、3年間で看護の知識や技術、病院実習を学んで看護師国家試験の受験資格をもらいます。

情報科学や心理額などの一般教養、病理学や医療制度などの専門基礎、基礎看護学など、様々な分野の勉強をして現場で即戦力になることを目指して学びます。

学費は学校によって大きく違いますが、一般的には200万円程度です。

専門学校のメリット
  • 学校数が多いので自宅から通いやすい
  • 病院実習が多く、現場で即戦力となれるような教育
  • 奨学金の給付など、資金面での援助も多い
  • 大卒より早く働き始められる
専門学校のデメリット
  • 保健師や助産師を目指すには、さらに1年間学ぶ必要がある
  • 実践中心なので研究などはあまり経験できない

短期大学(3年)

あまり多くはありませんが、3年生の短期大学もあります。ほとんどは大学医学部などに付属した学校です。

看護に関するカリキュラムと一般教養の授業があります。

一般教養によって患者と接するときのコミュニケーションや社会人としてのマナーなどが身につけることができ、現場で役立ちます。

また取得した単位の一部を共通取得単位として扱ってもらえるので、大学の3年次へ編入できる学校もあります。4年制に行くかどうか迷って決められない人は、とりあえず短大にしておく方法もあると思います。

短大のメリット
  • 一般教養も学ぶことができる
  • 大卒より早く現場に出られる
  • 4年制大学の3年次へ編入できる学校もある
  • 費用は専門学校と変わらない
短大のデメリット
  • 学校数が少ないので近くにない可能性がある

看護大学(4年)

4年制の大学であれば、3年生の学校よりもゆっくりしたスケジュールで看護が学べますし、自分が関心のある一般教養も身につけられます。

環境や設備が整っているところが多くて、実習も大学内でおこなえるところもあります。遠くまで実習に行く必要がなければ、その分時間的な余裕が生まれやすいです。

また海外の大学との交流留学や研修制度を設けている大学もあるので、学生時代に貴重な体験をする機会も多いでしょう。

大学のメリット
  • 大学院へ進学ができ、専門看護師を目指せる
  • 保健師や助産師など選択肢が幅広い
  • 管理職や特定看護師などキャリアアップに有利
  • 就職に有利な場合がある
  • 基本給が高い
  • カリキュラムに余裕をもって学べる
  • 実習施設が充実している
大学のデメリット
  • 学費が高い
    (入学金、授業料、実習日、教材費、施設使用費など400~600万円くらい)
  • 現場に出るのが遅れる
    (年下から指導を受けることになる)

現場で感じる学歴による差

私は看護師として20年以上働いていて、師長になって6年以上たちます。

部署には毎年新人がたくさん入ってきますし、看護学生の実習も来ています。そこには5年一貫校の出身者もいれば、3年制看護学校卒も、看護大学卒も、大学院卒も来ます。

さまざまな教育背景から看護師になった人たちの教育をした経験から感じた、学歴による差を解説します。

能力の差

3年制の看護専門学校では、実践能力を高めるために病院実習を重視したカリキュラムになっています。

しかし私は新人を迎えて指導する中で、学歴の違いで臨床能力の高さについて差を感じたことはありません。ほとんど全員が、現場ですぐに使えるような技術や知識をまったくもっていないです。

はる

臨床能力に差はないです
新人は誰でも、何もできない

ただ少し違うかもしれないと思うのは、専門学校卒の新人の方が現場の雰囲気になじみやすかったり、リアリティショックの割合がやや少ないように感じます

病院実習を重視していて、看護師とともに現場で過ごす経験が多かったおかげかもしれません。ただしもちろん、人によります。その新人さんの性格次第で、大きく変わります。

他に違いを感じる能力としては、レポートの作成や研修報告書など、書類作成をさせると学歴による差を感じます

はる

学歴が高いほど、レポートの完成度が高いように感じます

文章力やまとめる力、語彙力などは、そういう教育を何時間受けたかを反映しているのでしょう。

また看護研究の進め方やまとめ方、委員会活動を任せたときの責任感なども、差を感じます。受けてきた教育の差と、就職時の年齢の差もあるかもしれません。

待遇の差

私の病院では、学歴によって給与が違います専門学校卒と大学卒では、初任給から1万円くらいの差があります

これは毎月の月給だけでなく、ボーナスにも影響するので、年収にするとかなり大きな差になるはずです。

学歴による給与の差は病院にもよりますが、差があるところが多いようです。

2021年4月に日本看護協会が『2020年病院看護実態調査』の結果を公表しました。これによると新卒看護師の初任給は平均26万円~27万円となっており、大卒と専門卒で平均8千円ほどの差がありました。

参考:日本看護協会『2020年病院看護実態調査』

年収にすると9万円ほどの差になります。そして同じようなキャリアであれば、この給与差はずっと続きます。

仕事内容での差は全くありません。新人の頃に教えてもらう仕事内容や、夜勤を始める時期、部屋持ちの人数を増やす時期などは個人の仕事を覚える速さに応じて決めるので、学歴で差をつけられることはありません。

逆に言えば、全く同じ仕事をするのに給与に差があるということです。

社会人力の差

社会人マナーや協調性、行動力や積極性、考える力のような社会人基礎力については、やや差を感じます。

就職時の年齢の差も大きいと思います。5年一貫校卒と大卒では2歳差があります。

また大学のカリキュラムで様々な経験を積んでいれば、その影響もあるでしょう。

就職してからも研修を行いますが、身につけるには時間がかかります。新人の最初の1年間は、看護師としての知識や技術とともに社会人基礎力まで学ぶことになり、覚えることばかりで大変そうです。

学生時代にアルバイトや留学、企業訪問や研究など、出来るだけ色々な経験を積めると有利かな、と思います。

師長がおススメする看護師のなり方

地方の病院で師長として働く私の、個人的な考えです。

はる

私は大学進学を勧めます

看護師になるための教育期間は、大学であれば4年間ですが、専門学校では3年、5年一貫校なら2年しかありません。

時間的な余裕がなければ、必要最低限の教育になります。余裕があればその分、深く理解できるように工夫されたり、一般教養や体験学習などの機会も増えます。

看護の仕事は人対人の人間力を必要とする仕事です。就職したばかりだろうとベテランだろうと、働き始めれば同じプロとして仕事の質が求められます。

現場に出てしまえば日々の仕事をこなすことと覚えることで毎日いっぱいいっぱいになり、学生の頃のようにゆっくり考えて勉強する時間を取りにくいです。

ぜひ学生時代にいろいろな経験をして、ゆっくり考えて、有意義な時間を過ごしてから就職して欲しいです。

経済的な状況や、ご家族の協力、学校の立地、自分自身の学力など、色々な制約の中で進路を考えると思います。

それらの状況が許すのであれば、私がお勧めするのは、大学でじっくり学んでから看護師になることです

理由は色々ありますが、まとめると以下の4つです。

  • 将来のキャリアアップなど選択肢が広い
  • 給与が高い
  • 考え方や勉強の仕方が身についてから現場に出られる
  • 同期よりも年上である分、仕事の習得が早い

現場だと、大卒の新人と、5年一貫校卒の新人が同期でスタートすると、どうしても比べられてしまいます。

同じ宿題を出された時のレポートの完成度や、家族対応の言葉遣い、自主的に取り組む自宅学習などで、受けてきた教育の差や、経験の差が出てしまうことがあるのです。

そういう部分で同期に劣等感を持つのはツラいと思います。学生時代に受けられる教育をたくさん受けてから就職することが、就職後の新人時代を有利に乗り越えるコツだと思います。

また将来、自分が看護師以外の道に進みたい時や、より上の資格を目指したいと思ったとき、選択肢が広い方がいいです。そのためには、大卒であることは重要なアドバンテージになるでしょう。

こういった理由から「看護師になるのに大学と専門学校のどちらがいいの?」と聞かれたら、私は看護大学卒で看護師を目指すルートをおすすめしています

まとめ

この記事では、看護師になる方法と、そのための学校の違いを説明しました。

私がおススメするのは『大学卒から看護師になるルート』ですが、それ以外のルートでも何の問題もなく看護師として活躍できます

結局はどんな学歴があっても、本人のやる気と頑張りで、就職してしまえば学歴による差はほとんどなくなります。

大卒でも仕事を覚えるのが苦手な子はいるし、専門学校卒でも社会人基礎力が高くて能力が高い子もたくさんいます。

学歴ばかりを気にする必要はないので、どんな学校に進んでもそこで一生懸命に学び、いろいろな機会を利用して経験を積み、まずは人間力を高めましょう。

就職してからも勉強の日々は続きます。学生の間に勉強をする習慣を身につけておくと、就職してからも成長できると思います。

新人看護師が同期と比べられてツラい時の対処法をまとめた記事もあるので、そちらも参考にしてください。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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