新人看護師のあなたでもできる! 急変の発見と最初の対応

急変ってどんな状態のこと?

急変を見つけたらどうしたらいいのか分からない

急変を見落とさないか不安…

こんにちは、はるです。
今回は新人看護師が知っておきたい急変時の対応について解説します!

新人看護師さんの業務の中で、特に不安が強いのは『急変時の対応』だと思います。

私は師長として、部屋持ちを始めたり夜勤を開始するときに新人と面談すると、みんなが急変対応への不安を感じていることが分かります。

とにかく急変が怖いです…

『きちんと対応できないこと』だけではなく、『急変に気付けないかもしれない』という不安も大きいですよね。

そこで今回は、新人看護師に知っていてほしい急変対応について解説したいと思います。特に『新人でもできる急変の発見の仕方』と、『急変を発見した後にどうしたらよいのか』を解説します。

急変の見抜き方から対応まですべて解説しますので、急変対応に自信のない新人さんはぜひ最後まで読んでください。

目次

『急変』ってどんな状態のこと?

『急変』の定義

『急変』ってどういう状態のことをいうと思いますか?

呼吸や心臓が止まっているのを見つけた時に『急変です!』って言ってる気がします

ラウンドで病室に行った時に、心停止している患者を発見した先輩が『急変です!』と大声を上げますよね。そのイメージからか、急変は心停止のことだと思っている人がいます。しかし、それは間違いです。

急変した場合に様々な対処をし、その結果として残念ながら心停止になってしまう場合はありますが、心停止はあくまで結果です。

心停止する前に気付いて対処して、なんとかして心停止を回避するのが急変対応の基本的な考え方なのです。

じゃあ『急変』って、どんなことをいうんですか?

まずは正しい『急変』の定義を確認しておきましょう。『急変』の定義はこちらです。

急変とは

予測の範囲を超えた全身状態の変化のこと

病気の症状や、投与した薬の反応などは、予測できる状態変化です。しかしその予測の範囲を超える大きな状態変化が急速に起きることを、『急変』と呼びます。

例えば、急変と考えられる全身の状態としては、次のようなものがあります。

●急に脈が早くなる(140回/分以上)か、遅くなる(40回/分以下)

●血圧が急激に下がる(収縮期血圧が80mmHg以下)

●呼吸数が急に早くなるか、遅くなる

●急にSpO2:90%以下に下がる

●意識レベルの急激な変化

●尿量が急激に減少する

この他にも、呼吸の仕方がいつもと違ったり、気道が閉塞しかかっているとき。また「なんとなくいつもと違う、おかしい」と医療スタッフが感じる状態変化も、急変の可能性があります。

『増悪』と『急変』は違う?

だんだんと状態が悪くなっていくのは『増悪』です。
急変との違いが分かりますか?

例えば、次の事例は急変ですか? 増悪ですか?

例えば肺炎で入院しているAさん。

咳と呼吸困難が続いていて、午前中まで血中酸素飽和度(SpO2)96%でしたが、午後からは92%に低下しています。

呼吸の回数も26回/分に増えています。

あなたは午後からのラウンドでAさんの状態を確認した時、『急変だ』と報告をしますか?

たぶん、急変とは報告しませんよね。

これは「徐々に悪くなっている状態」であって、「急な全身状態の変化」とは言えません

この事例は『増悪』なんですね
確かに『急変』とは違いますね

では、次の事例はどうでしょうか。

糖尿病の精査目的で入院したAさん。

胸の不快感を訴えていて、四肢冷感と顔面蒼白の症状が出ています。

四肢冷感と顔面蒼白は、ショック症状の兆候です。

このような症状がみられたら、急変の可能性があると思って対応が必要です。

これは急変ですね。
すぐに先輩に報告します!

「なにかいつもと違う感じがする」というような時は、自信がなくてもまずは先輩に報告をしましょう。

複数の人と確認することで、だんだんと自分でも同じ判断が出来るようになるはずです。

急変を見落とさない!

急変とは、予測の範囲を超えた全身状態の変化のことです。

全身状態の変化に気付くためには、正しく今の状態をアセスメントする必要があります。

全身状態から急変を見落とさないためにアセスメントするところは、主に4つあります。

急変に気付くアセスメント
  1. 循環
  2. 気道
  3. 呼吸
  4. 意識

それぞれ、詳しく解説していきますね!

1.循環の異常

まずは、循環の異常について考えましょう。循環の異常とは、つまりショック状態を見落とさないということです。

心原性ショックとか、出血性ショックとかのことですか?

そうです。ショックには様々な原因があり、それらの全てに当てはまる基準はありません

そのため、まずは以下のような数値の変化が目安となります。

心拍数:40回/分以下、または130回/分以上

収縮期血圧90mmHg以下の急な変化

数値の変化と臨床所見から、ショックの兆候を見つけることは可能です。

先輩たちは、患者さんをパッと見て異常に気付くことがありますよね。
どんなところを見ているんですか?

ショックかもしれないと気づく、特徴的な症状があるんです!

ショックの5徴候

1.皮膚・顔面蒼白

2.発汗・冷や汗

3.肉体的・精神的虚脱

4.脈拍微弱

5.呼吸不全

これらがショックを疑うべき症状です。

3の「肉体的・精神的虚脱」というのは、グッタリしている、元気がない、視線が合わない、手足がダラリとしている、というような状態です。

おかしいなと思ったら、患者さんの体を触りましょう

身体に触れれば、高熱があることに気付いたり、発汗や冷や汗にも気づけます。手に触れて脈を感じれば、極端な徐脈や頻脈も分かるし、身体に触れた時の反応で意識レベルも分かりますよね。

2.気道の異常

食べ物や喀痰などで気道が閉塞しかかっている場合は、呼吸の仕方や音に異常が現れます。

いびきのような呼吸をしている

意識レベルが下がっている

このような状態を見つけた時には、急変の可能性があります。

すぐに気道の閉塞を解除しましょう! 頭部後屈顎先挙上や下顎挙上をおこなって、気道確保をしましょう。

窒息の恐れがあるので、吸引の準備が必要ですね!

3.呼吸の異常

呼吸の様子がおかしい時には、呼吸の異常がないかを確認しましょう。

呼吸数:8回/分以下、もしくは28回/分以上の急な変化

SpO2:90%以下

明らかに呼吸回数が多かったり、少なかったりする場合は急変の可能性があります。

すぐに対処が必要です。SpO2を測定しましょう。

酸素投与の準備が必要ですね

4.意識レベルの異常

急激な意識レベルの変化があった時にも、急変の可能性を考えましょう。

GCSで2点以上の変化

GCSの合計が8点以下

急に麻痺が出現している

言語障害が出現

GCSとは、Glasgow Coma Scaleのこと。
意識レベルの世界的な評価の基準になっているスケールです。

いつもに比べて反応が鈍い
言葉が聞き取りづらい、会話がかみ合わないなどの症状も要注意です!

急変だ!どうしたらいい?

もしも私が急変を発見したら…
どうしたらいいんでしょうか?

急変発見後の流れを一緒に確認しましょう!

1.迅速評価をする

1.第一印象による最初の評価

患者さんの部屋に入って顔を見たときの第一印象や、最初に接触した時の数秒間での観察です。

これらの評価は、とくにバイタルサインの道具や聴診器などは必要ありません。最初に見たときの数秒間で『何かがおかしい』と気付くサインです。

これらの症状を発見した場合には『急変かもしれない』と思って、すぐに次のステップに移りましょう!

2.一次評価をする

2.次に、急変かどうかを判断する

患者さんの様子がおかしい!
次にどうしたらいいですか?

さっき勉強したやり方で、急変かどうかを判断しましょう!

一つ前で説明しましたが、ここで『急変かどうかを見分けるアセスメント』をしましょう。

アセスメントするポイントは、次の4つです。

ここで異常があれば、急変の可能性があります。すぐに応援を呼びましょう!

ナースコールや大声を出すなどして、応援の先輩を呼びます。誰かが来てくれるまでは、ベッドサイドであなたに出来ることをしましょう。

応援が来るまでに新人でも出来ること
  • ベッドをフラットに戻す
  • 枕を外して気道を確保する
  • 気道閉塞を解除するために吸引を準備する
  • 静脈ルートの確保の準備

こういうことは、新人さんでもすぐにできるはずです。応援が来るまではそばを離れず、出来ることをやりましょう!

次に、先ほどの急変かどうかを判断するアセスメントで異常が見つからなければ、さらに詳しく状態観察をします。

これらの細かい情報収集をしてから、初期対応を始めます。まずは先輩やリーダー看護師に報告をしましょう。

そして、増悪が急変に移行してしまわないよう、急変を見分ける4つのポイントの再評価を繰り返します

できるだけ、悪化している状況に早く気付けるように観察を続けましょう

なにかおかしいと思ったら、とにかく人に伝えましょう!
一人で判断する必要はないんですよ。

変化に気付いたら、応援を呼ぶんですね。
それなら出来るかも。

患者さんの様子を見ても、『急変なのか、違うのか』の判断に自信が持てないと思います

そういうときは、とにかく誰かに一緒に見てもらいましょう。一人で判断する必要はありません。

自分の評価と、先輩の評価を何度も繰り返すことで、だんだんと自信がついてきますよ。

まずは自分で評価して、その自分の見立てを誰かに評価してもらいましょう。

3.症状別に対応を開始する

3.急変だ!そしたらあなたは何をする?

先輩が見て「急変だ」と判断!
私に出来ることはある?

急変対応をするときに必要な物を取りに行ってくれると助かるわ

急変対応となると、先輩や医師がきて一気に慌ただしくなりますよね。そんな中で、新人のあなたが役に立てることは何でしょうか。

まず出来ることは、対応に必要な物品を取りに行くことです。

これらで不足している物品があれば取りに行きます。保管場所は知っていますか? 分からなければ、今のうちに習っておいてください。

物を取りに行く場合(その場を離れる場合)は、必ず行き先を言ってから動きましょう。

急変かどうかを見抜く4つのポイントを覚えておきましょう。
そして急変を見つけたら、すぐに応援を呼びましょう!
この二つが出来れば、完璧です!

まずは急変を見抜くポイントを覚えます!

まずは、患者さんの様子が「何かおかしいかも?」と気付くことと、その変化が急変かどうかを見抜けるようになりましょう。そして、そのことを出来るだけ早く、誰かに伝えて応援を呼びましょう。

あとは、先輩の指示に従うか、必要な物を取りに行く。その対応が出来れば、大丈夫です!

4.家族への連絡と対応

急変となったことをご家族へ連絡が必要です。

新人看護師のあなたが直接対応をするのは難しいでしょう。連絡するタイミングや伝える内容は、リーダーや主治医に判断してもらってください。

詳しくは次の記事でまとめていますので>>師長が教える急変時の家族対応|対応に自信が持てるポイント6選こちらの記事を参考にしてください。

まとめ

今回は、新人看護師が知っておきたい急変時の対応についてまとめました。

新人さんの業務の中で、特に不安が強いのは『急変時の対応』だと思います。そのため、この記事では『新人でも出来る急変の発見の仕方』と、『急変を発見した後にどうしたらよいのか』と解説しました。

急変対応は、ある程度は事例数をこなさないと自信はつきませんが、頭の中でシミュレーションしておくだけでも違います。

私の病院では、新人さんは夜勤に入る前の時期に必ず、急変対応シミュレーションの研修をして、急変時の役割分担について学んでもらっています。そういう研修も取り入れて、まずは書類の中だけでも考えましょう。

この記事で、少しでも新人さんの急変対応への不安が軽くなればうれしいです。

分からないことがあれば、コメントでもメールでも、ご連絡ください。新人看護師さんが少しでも自信をもって仕事ができるよう、応援しています。頑張ってくださいね!

このほかにも、看護師さんの仕事上の悩みを軽くするための記事を書いています。良かったら読んでみてください。>>【看護師の悩み】仕事がつらいと思った時に読んでほしい

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